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    楽曲MV「魔法少女☆デスラッシュ」について語る記事

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    魔法少女☆デスラッシュ

    2024年11月に公開したアルバム『STN LOUD』に収録されている『魔法少女☆デスラッシュ』。
    YouTubeの概要欄で「制作秘話、ブログに書くかも」とつぶやいたはずが、時は流れて2025年5月――ようやく筆を取りました。

    どうせ誰も読まないでしょ……

    なんて、タカを括っていたら、友人と言う名の視聴者からお叱りを受けてしまいました(;’∀’)

    ブログ見に行ったのに、なんも書いてないやん!😡

    2024年11月に公開したアルバム『STN LOUD』。その中の『魔法少女☆デスラッシュ』という楽曲。
    YouTubeではMVを公開済みですが、ブログで語るのは…やっと今。
    この記事では、そのMVに込めた裏話と制作秘話を思いっきり語っていきます。

    で、何がそんなに面白いの?


    🎯 この記事でわかること
    • 『魔法少女☆デスラッシュ』のMVに込めた想い
    • AIツールを駆使した映像制作の裏側
    • 魔法少女に込めた、ちょっと毒のある世界観
    • キャラクターデザインで迷走した記録

    正直、ダレトクなのか全くわからない記事なのですが、AIを駆使したMV製作に興味のある方もおられるかと思うので、どなたかの参考になったりしたら幸いです。

    MVをまだ観ていない方は、まずはこちらから👇

    『魔法少女☆デスラッシュ』MUSIC VIDEO

    「なんで魔法少女なの?」
    「誰に向けたMV?」
    「どんなAIツールを使ったの?」

    そんな疑問を持っているあなたにこそ、読んでほしい内容が盛りだくさん!(かもしれない)

    AIでのMV制作の裏側へ、どうぞお入りくださいませ。

    目次

    MV化は曲を作った時点から視野に入れていた

    AI音楽制作を始めた頃から、いつか魔法少女モチーフのMVを作ってみたいという構想が心の奥にあった。明確に言語化していたわけではないものの、頭のどこかでは「目指す場所」のひとつだったように思う。

    多くの人が魔法少女といえば『美少女戦士セーラームーン』を連想するだろうが、自分の場合、その作品はなぜか通らずにきた。

    代わりに心に残っていたのは、『魔法のプリンセス ミンキーモモ』や『魔法の天使 クリィミーマミ』など、1980年代のいわゆる”元祖魔法少女アニメ”の方だった。

    曲を制作している段階から、断片的ではあるものの、映像のビジュアルが頭の中で動き出していた。

    魔法少女がただ可愛らしいだけでなく、どこか毒気を含み、観る者の固定観念を壊していくようなイメージ。それをどう表現するかが、このプロジェクト最大のテーマになった。

    どうしてもオマージュしたかったのは、あの作品!

    黄色い戦隊ヒーローイメージ

    今回のMV制作において、どうしても盛り込みたかった要素があった。それは、過去の名作へのオマージュだ。

    映像を見た方ならきっとどこかで「あっ」と気づいたかもしれない。あえて伏字で紹介するが、代表的なものは「セー〇ー服と機関銃」と「ゴレン〇ャー」である。

    前者の印象的な決めゼリフ「カ・イ・カ・ン」は、そのままMVの中で大胆に引用させてもらった。無垢と狂気が同居するような少女の姿は、今回の魔法少女像とも重なる部分が多い。後者の戦隊ヒーロー要素も、そのまま歌詞の中(「カレーのポジ確」)に取り入れている。

    歌詞の「ビビ〇バビデブー」も、無意識にディ〇ニー作品をオマっていることになるだろう。

    『魔法少女まどか☆マギカ』への愛着も強いが、あまりに完成されていて真似してしまうと逆に凡庸になってしまうと考えた。だからこそ、オマージュをするなら、誰もが(やりそうで)やりそうにないところを狙おうと決めた。少しガラが悪けれど、芯の強さを秘めた魔法少女像は、そんなコンセプトから生まれた。

    魔法少女のキメ顔
    カ・イ・カ・ンw

    画面から飛び出る魔法少女

    魔法少女ものの定番といえば、やはり変身シーンだろう。きらびやかなエフェクトとともに少女が姿を変える演出は、ジャンルを象徴する存在でもある。しかし、その美しさや煌びやかさの裏に、どこか“視線の違和感”を感じてきた。視聴者が必ずしも少女と同年代の層とは限らないからだ。

    今回のMVでは、そうした“見られる”ことに対する魔法少女側の反応を、あえて逆方向に振り切って描いてみた。「自分が魔法少女だったら、見られるより先に殴ってやりたいかもしれない」――そんな皮肉混じりのユーモアを映像の中に詰め込んだ。

    まずはこんな画像を生成したものの……

    このアイディアを映像に落とし込むのは、予想以上に手強かった。

    Viduで生成した没動画

    画面から文字通り“飛び出してくる少女”の演出を再現するために、画像生成AI「Vidu」や「KLING」を何度も試行錯誤。特にELEMENTS機能を活用して、複数画像から1本のショートムービーを生成する方法でなんとか形にできたときは、思わず声が出るほどだった。

    【ELEMENTS機能とは】複数の画像(2~4枚)を動画生成AIに読み込ませ、テキストで指示をする機能。今回の例で言うと「画面から少女が飛び出し、怒った表情で画面前の男性の襟元を掴む」など動きを指示する文章を英語に翻訳し、画像と共にプロンプトとしてぶっこむ。(最近は日本語指示でもうまくいくとの話もあるが、筆者は英語派)

    ⇩各ツールのリンク🔗

    キャラデザに悩むこと数カ月

    MV制作において、キャラクターデザインは最も時間をかけた要素のひとつだった。

    とくに主人公となる魔法少女のイメージを固めるまでには、何度も試行錯誤を重ねた。

    楽曲の歌詞に漂う雰囲気や語感から導き出したビジュアルは、「スケバン」風の女子。しかし、ただ昔風のヤンキーにしてしまうと、どこか懐古的な印象が強すぎて現代性が薄れてしまう。

    没画像の数々

    また、魔法少女である以上、ある種の“可愛さ”や“変身のギャップ”も不可欠であり、アウトローでありながらファンタジックな要素も併せ持たせる必要があった。この両立は意外に難しく、他作品の雰囲気に寄りすぎず、かといって完全オリジナルで奇抜になりすぎない絶妙なラインを探ることになった。

    マスコットキャラや敵キャラに関しても同様で、「可愛いだけじゃない」といった、どこかアンバランスな愛嬌を加えることで、MV全体のトーンに深みを出すよう意識した。

    前の項でも触れたが、プロンプトには「怒った表情の少女が、男性の襟を掴む」といったように、感情が伝わる具体的なシーンを設定し、生成AIに読み込ませた。その過程で得られたキャラ案を、何十枚と比較して、ようやく納得のいく1枚にたどり着いたときの達成感は大きかった。

    キャラデザインは単なる見た目作りではなく、作品の世界観や物語の核を決める“魂”の部分だと、改めて感じさせられた工程だった。

    イケメンボスとの恋の行方

    直接使用していないキャラデザ画像

    歌詞を執筆している段階で、「敵のボスはイケメソ」と強く決めていた。物語にはドラマがあってなんぼですからね。

    「イケメン」といえども、人それぞれに解釈は様々だ。甘い系が好きな人もいれば、王道好きもいらっしゃるだろう。

    ここは、筆者の完全な好みになるのだが、眼鏡イケメンを選択させてもらった。従来の“悪の帝王”のような存在ではなく、表情や佇まいに哀愁や知性をにじませたデザインを目指した。見た目は洗練されたスーツ姿、だけど心には何かしらの葛藤を抱えているような雰囲気。そうすることで、主人公との関係性に“敵か味方か、はたまた恋愛対象か”というあいまいなグラデーションが生まれる(のか?)。

    恋愛要素そのものを描く目的はなかったが、MVという短い尺の中に、主人公の戸惑いや、決意を滲ませた。

    その後の二人はどうなったのかしら?

    想像にお任せします……

    こうした曖昧さは、明確な物語を描くのではなく、余白を楽しむスタイルのMVにはぴったりだと感じている。恋なのか因縁なのか、その答えは視聴者の想像力に委ねられる。

    viduでの生成動画。さすがにイメージが違い過ぎるので没にしたw

    ところで、好きな魔法少女で世代がバレるって本当?

    「好きな魔法少女は?」という問いかけだけで、ある程度の世代感が浮かび上がるという現象がありますよね。

    年代代表的な魔法少女作品視聴世代(目安)
    1960年代魔法使いサリー、ひみつのアッコちゃん現在60代以上
    1970年代魔女っ子メグちゃん、花の子ルンルン現在50〜60代
    1980年代ミンキーモモ、クリィミーマミ現在40〜50代
    1990年代カードキャプターさくら、おジャ魔女どれみ現在30〜40代
    2000年代プリキュアシリーズ、シュガシュガルーン現在20〜30代後半
    2010年代魔法少女まどか☆マギカ、ゆゆ式魔法少女大戦〜30代前半

    表はざっくりと年代こそ調べているが、GPT頼りのものなので、読者の方との認識の違いもあるかもしれない。

    実際にプリキュアシリーズは現在も放映中であるし、親子視聴なども含め世代を超えた名作も数多く存在することは大前提

    筆者の場合、幼少期の原体験として心に刻まれているのが『ミンキーモモ』と『クリィミーマミ』。当時の魔法少女は、“変身して何者かになる”という願望を代弁してくれる存在だった。

    「クリィミーマミ」は少しロックで色っぽくて
    子供心にドキドキしたよね

    最近では、『魔法少女まどか☆マギカ』のようなダークで哲学的な要素を持つ作品や、『間違った子を魔法少女にしてしまった』(通称「まちまほ」)のように皮肉と暴力性を前面に押し出した作品が目立ってきた。「魔法少女三十路」のような、年齢や現実に向き合う視点を持った風変わりな作品も増えてきている。

    時代ごとに“魔法少女”というジャンルが、社会背景や価値観に応じて変化してきたことは間違いない。だからこそ、自分がどの作品に心を動かされたかによって、その人の価値観や時代の空気まで垣間見える。ある意味、“世代バレ”というより“感性バレ”なのかもしれない。

    忘れちゃいけない!バンドシーン

    言い忘れるところだったけど、バンド演奏シーンも『魔法少女☆デスラッシュ』には欠かせないパート。
    もちろん、ここにも筆者の好みが色濃く反映されている。

    目指したイメージは、パンクでラウドで、ちょっと汗くさい“男らしさ”のあるバンド。
    だけど、あくまで“暑苦しいロン毛集団”(ごめんなさい!)というよりは、クールさや色気、そして少しの可愛らしさが共存している存在にしたかった。

    画像生成の段階からその雰囲気を狙って、服装の質感・髪型・構図のバランスなどにこだわってプロンプトを練り込んだ。「男臭さ」だけに振り切らず、どこか美しさも感じられるバンド像に仕上げることで、MV全体の印象にも統一感が出せたかな?と思っている。

    さいごに

    『魔法少女☆デスラッシュ』という作品には、自分の中に蓄積されてきたアイディアと、その時点で可能な限りの技術力を注ぎ込んだつもりだ。

    楽曲の構成、映像の演出、キャラクターデザイン、そしてAIツールを駆使した生成作業――すべてにおいて「これが今の自分の限界だ」と思えるほど没頭できた制作だった。

    もちろん、完成後に「あそこはこうすればよかった」「もっと違うアプローチもあったかも」と感じる場面は無数にある。でも、それも含めて今の自分にできる最高の一作だったと胸を張りたい。

    未来の自分が技術的にも表現的にも成長できたときには、また違った形でこのテーマに再挑戦してみたいという気持ちもある。

    AIツールは日進月歩で進化を遂げている。使い手がその変化にどれだけ対応し、創造性を発揮できるかがこれからの鍵になるだろう。自分にとってこの作品は、その“第一歩”だったのかもしれない。

    ここまで読んでくれた方がいたなら、心からの感謝を伝えたい。最後までお付き合いくださって、本当にありがとう。あなたの創作活動や鑑賞の楽しみに、少しでもヒントや刺激を与えられたなら、それだけで十分に報われます。

    魔法少女☆デスラッシュ

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